2025年3月2日に京セラドーム大阪で開催されたファッションイベント「KANSAI COLLECTION 2025 SPRING&SUMMER」(以下、関コレ)にて、ABEMAで配信中のバラエティ番組「CHANCE & CHANGE(チャンスアンドチェンジ)」のステージが展開された。キャバクラで働く人気キャストたちが集結したが、SNS上では賛否両論の嵐。3月26日に配信された同番組では、彼女たちの本当の姿を映した舞台裏が公開された。
※本記事はモデルプレスと連携した連載コンテンツとなります。
あすか、きほ、まみ(C)モデルプレス
「関コレ」では、「CHANCE & CHANGE」によるステージが複数展開され、モデルたちと一緒にキャバクラで働くキャストがランウェイ。番組では、SNS上を騒がせた「関コレ」の舞台裏が公開された。
今回の「関コレ」の舞台に立てたキャストは、売り上げの成績上位者など、名実ともに評価を受けたキャストのみ。長崎出身の天海りこは、15歳の時に2万円を握りしめて上京。念願のアイドルとしてトップに上り詰めるも、事務所の社長の不祥事で夢を諦めキャバクラの世界へ。
天海りこ(C)モデルプレス
アイドルの経験を活かし、「CHANCE & CHANGE」の姉妹番組「チャンス学校チェンジ科」から2024年11月に誕生したガールズグループ「CHANCE GALs(チャンスガールズ)」では、リーダーとして活動。「関コレ」では「CHANCE GALs」のパフォーマンスステージもあったことから、「キャバ嬢だけどできる。いろんなことができるよってウチらは第一線で見せたいです」としっかりとレッスンを重ねて再びステージへ戻ってきた。
まみ(C)モデルプレス
同じく「CHANCE GALs」として圧倒的な存在感を放っているのは、まみ。沖縄出身で、3歳から母子家庭で育ち、貧しい幼少期を過ごしたことを告白した。
今回の「関コレ」には、沖縄から家族全員が応援に来たという。家族への恩返しのためにも「素人だと思われないようなかっこいいステージにしたい。ナメられたくない」と意気込みを語っていた。
「CHANCE&CHANGE」(C)ABEMAより
キャバクラで働くキャストが「関コレ」に出演することにSNS上では賛否両論があるが、「CHANCE GALs」の研修生・るいは、「みんな思ったよりもみんなちゃんとやってる。ナメてた」と驚きを告白。「だから叩かないで欲しい。茶番でやってない、みんな本気」ときらびやかな世界で時には批判も受ける彼女たちだが、それぞれが本気で活動に向き合っていることを明かしていた。
「CHANCE&CHANGE」(C)ABEMAより
前日には、これまで練習してきた構成を変更するトラブルも。リハーサル後にもその構成をステージ裏で何度も練習する「CHANCE GALs」たち。思わぬ試練に、天海は「グダらないか心配」と本音をこぼす場面もあったが、本番では完璧なステージに。今後についても「紅白出場!」と堂々と宣言し、その1歩となる「関コレ」ステージで夢を叶える姿を見せていた。
それぞれ熱い思いを抱えて挑んだステージ。リハーサルでは、靴擦れで血が出ていることも気にならないくらい練習を重ねていたというけいは、「自分の人生の中で1番今が輝いている」と自信を持って立てた様子。桜井みづきは、「おばあちゃんになっても思い出すんだろうな。人生でステージでしか味わえない高揚感だったり、唯一無二の場所」と表現していた。
関コレのステージ裏には、誰よりも本気で舞台に挑む彼女たちの姿があった。
リハーサルを終えた後も、納得がいくまで自主練を繰り返すCHANCE GALsのメンバーたち。
トラブルが起きても「どうすればより良くなるか」を考え続け、仲間同士で声を掛け合いながら進んでいく姿は、まさに挑戦する人の背中そのものだった。
表舞台の華やかさとは裏腹に、舞台裏で流れていたのは、努力・葛藤・そして責任感。
彼女たちのストイックさは、決して演出ではない。リアルな人生を懸けてステージに立つからこそ、多くの観客の心を打つのだ。
きっかけも、背景も、夢の形も、出演者たちの歩みは誰一人として同じではない。家庭のため、自分自身のため、あるいは過去の夢をもう一度追いかけるため。
彼女たちの足取りには誰にも真似できない理由があった。
キャバクラで働くという事実の裏には、それぞれの人生がある。
関コレのランウェイに刻まれたその一歩一歩が、どれほど強く、そして優しい動機から生まれたかを想像すれば、自然とその姿が輝いて見えるはずだ。
SNS上での賛否は、彼女たちもすでに覚悟のうえ。
「なめられたくない」「茶番じゃない」その言葉には、キャバクラというフィールドで生きる女性たちが、どれだけ偏見と向き合ってきたかの重みが宿っている。
CHANCE&CHANGEはそうした視線に向き合うことを避けない。むしろその先にある理解や共感にたどり着くために、彼女たちは正面から舞台に立ち続けている。
見た目や肩書きに惑わされず、ひとりひとりのストーリーに耳を傾けることで、私たち自身の視野もまた広がっていく。
今回のステージは、職業や経歴で人を判断するのではなく、個人の情熱と努力、そして成果そのもので評価されるべきだという、新しい時代の価値観を提示する挑戦である。
彼女たちはもはや「キャスト」という枠を超え、多様なスキルと人間的魅力を武器に戦う、1人の表現者として、新たな道を自ら切り拓いている。